もう少ししたら戻るから。
今は夜風に当たりたい気分なの。
しつこいよ葉奈。
いつからそんなふうにわたしを追いかけるようになったの?
並べられる言い訳をペラペラ言って、どうにか誤魔化そうとしたのに。
「うわ、ぶっさ」
「………さいてい」
「事実を言っただけ。嘘つかれるほうが後々キツいだろ」
「ひどいっ!バカっっ」
わたしの身体を簡単にクルッと振り向かせて、やさしさの欠片すらない反応。
空気が読めないとかじゃない。
もはや読もうとしないのが葉奈なんだ。
「〜〜っ、……う…っ、うう…」
もう、いいや。
どーせ葉奈には何度も泣き顔を見られてるし、今に始まったことじゃない。
わたしがアニキを好きだって当ててしまったのはこいつでもあるんだから、この涙を見たところで慣れたもののはずだ。



