日向家の諸事情ですが。





「もー!どこ行っちゃったの葉奈は…!!」



パーティー会場に戻ってもいないし、一通り探してみても見当たらないしっっ。

まったく自由人なんだから!!



「間違って酒は飲むなよ」


「わっ!あっ、アニっ、識様!」



さすがに今日だけは「アニキ呼び」はしてはいけないだろうから、すぐに呼び直す。

けれど当の本人はわたしの耳に顔を近づけて、こんなことを言ってきた。



「逆に今日はアニキのほうが都合がいいから、そう呼べ。それにおまえはもう日向家の人間だろ」


「っ…、うん…」



耳元で言ってくるの反則すぎる…。

いっきにぶわっと熱くなったの、バレてないよね…?



「椿さんは大丈夫なの…?」


「ああ、大東家側の親族たちのほうに回ってる。…俺にも少し息抜きが必要なんだよ」


「そ、そっか」



息抜きでわたしのところに来てくれるなんて、それって深掘りしていいやつ?

ううん、やめておこう。
自分のためにもやめておこうっと。