「サナ…?だよな?」
「………あっ!!!えっ、真冬(まふゆ)にーちゃん!?」
「静かに。俺たちが騒いでどうする」
「あっ、ご、ごめん」
どこかで見覚えがあると思っていた。
遠目から見たとき、本当は気づいていたんだけれど。
さすがに見間違いだろう、そっくりさんだろうと思って気にしないでいたんだ。
だって思わないもん。
この場所にまさかわたしの遠い親族がいるなんて。
「なんで真冬にーちゃんがここに!えっ、もしかして大東家の執事やってるのっ?」
「いや、俺はもう本業としての執事はやってない」
「ええっ!?ど、どーいうこと…」
「ちょっと待ってください、早瀬(はやせ)さん。…ですよね?」
何がなんだか分からないのはわたしだけじゃなく、葉奈もだった。
すると完璧な角度と所作でお辞儀をした真冬にーちゃん。
「お騒がせして申し訳ございません、日向様」
「いや……え?なんで早瀬さんが俺に頭下げてんの、」
「えっ?だって真冬にーちゃんはずっと執事だったから!」
「……は?なに言ってんだよおまえ。早瀬さんはイタリアで有名事業を展開してる凄腕の役職付きの人なんだけど」
「……ええっ!?マジ!?そーだったの!?」



