日向家の諸事情ですが。





「……味濃すぎ」


「ねっ!あまり言えないけど…こんなの高血圧になっちゃう!」


「どこのシェフ使ってんだよ。やっぱうちのが一番ってわけだ」


「……あははっ」


「…なに?」


「なんか葉奈が自分の家を自慢してるとこ見るとね、嬉しいんだ〜」


「…なんだそれ」



始まった立食パーティーの端っこ、わたしたちはビュッフェ形式の食事を楽しんでいた。


味覚が同じところはもうお互いに認めるしかない。


アニキは椿さんと一緒に挨拶回りだったりで忙しそうだし、楓くんは持ち前のコミュ力で女の子たちと楽しげに話している。

望は少し前に外の空気を吸ってくると言って、中庭に向かっていった。



「───失礼します」



そのとき、わたしと葉奈の場所に混ざってきた人物。

スラっとした見た目で日向兄弟と同じくらい……いや、それ以上に女性参加者の視線を奪っていた男性は。


葉奈が反応するより先に、わたしに話しかけてくる。