「えっ、うそ、船……?」
「私は海が好きだから、今日は船上パーティーにしてもらったの」
「……タイ◯ニックじゃん…」
てっきり大東家のお城に案内されると思えば、到着した場所はまさかの港。
見上げても見上げてもキリがない豪華客船はまさにタイ◯ニック号を彷彿とさせた。
リムジンのまま船内に入り、お金持ちの当たり前をここでも体験したわたしである。
「これって酔わない…!?船酔いしない…?」
「庶民なんかがイメージするような船と一緒にするなよ」
「うわぁムカつくうぜえ」
「…あ?」
「あっ、ごめんまた本音と建前がねっ!!」
とか言いながらも、しっかりわたしの腕を支えてくれる葉奈。
さすがは御曹司。
自然なエスコートの仕方はちゃんと身に付いているようで。
そんななか、前方を椿さんと並んで歩いていたアニキが柔らかい表情をしながら振り返った。



