そんななか、お姫様のような女の子はわたしの横に立った葉奈へと視線を移して、どこか複雑そうな顔をしてから柔らかく微笑んだ。
「葉奈くん…。お久しぶりね」
「…どーも」
「えっ、えっと…、ふたりはお知り合い、で…?」
「はじめまして。私、大東 椿(だいとう つばき)といいます」
ツバキ……。
名前までもが美しいし、こんなにもピッタリな名前ってあるの。
ぽけ〜っと雰囲気に飲まれてしまっていると、なぜかぐいっと肘でつついてきた葉奈。
ハッ、そうだ!
わたしも自己紹介しなくちゃ!
「あっ、わたしは日暮 サナです!この日向家のメイドとして働いておりまして…」
「まあ!そうだったの!」
「び、びっくりですよねっ」
「では識くんのほうから私のことも少しは聞いているかしらね」
「え?あに……識様と、なにかあるのですか…?」



