「…逆光やば。識、場所交換してよ」
「ここは早いもの勝ちだ」
「んなら俺が明日そこ座ってても文句言うなよ」
諦めたように座った葉奈は、実際そこまで逆光を鬱陶しそうにはしていなかった。
これもまた奴の不器用な口実ってやつだ。
なんか、なんかさ……。
今のめちゃくちゃ長男と次男感がある会話じゃなかった…!?
「…おい、そこのメイド」
「へっ?あっ、はい!」
「ニヤニヤしてないでさっさと飯、並べてくれよ」
「…はあい」
相っ変わらず毒舌だし生意気だけど、今日は4兄弟が揃った特別な日に折れてあげようじゃないか。
聞こえない程度にふふっと笑ってから、ミネラルウォーターとカリカリに焼かれたベーコン、とろとろなスクランブルエッグをまずは出す。
そのあとサラダとクロワッサンをそっと置いて、次男の朝食は完了だ。
「…そこにある飲みもん、なに?」
「あっ、これ?飲む?」
なかなか減らなかったミックスジュース。
ついつい嬉しくてグラスに注いでから、「あ!」と、そこで楓くんが気づく。



