「ハナちゃん!」
いちばん最初に反応するのはいつだって弟の楓くんだ。
「おはよ!あっ、えっ、もしかして……ここで食べる…?」
「……俺の席ないなら別にいい」
「あるある…!!めっちゃある!!サナっ、ねえサナっ」
すぐさま引き止めた楓くんを手助けするのはもちろんわたしだ。
彼らの伸ばす手が足りないなら、それをわたしが意地でも繋いでやるって決めたんだから!
「はいはい!ここが葉奈の席!」
双子の弟たちとは違う制服姿。
ふたりは名門セレブ校の校章がついた白色のまばゆいブレザーにチェック柄をしたスラックスで、葉奈はどこか親しみのある紺色ブレザーにグレーのスラックス。
それは名門校ではなく一般的な私立高校に通う彼の特徴のひとつだ。
長男であるアニキと向かい合わせた椅子を引いて、ここに座ってと案内する。
「…………」
やっぱりいきなりすぎた…?
そりゃ溝がある長男と次男を向き合わせるのはヒヤヒヤだけど、この並びがいちばんスッキリするんだよね…。



