これでもそれぞれが好む食べ方なんかはだんだん分かってきた。
朝はパン派である楓くんは毎日ちがうジャムを出さないと「飽きた」と言って文句を垂れてくる。
望は食事そのものにあまり興味がないから、好物であるチーズを使ってなんとか釣って。
アニキは朝はブラックコーヒーと決まっていて、ベストなタイミングで出すと喜ぶのだ。
「そこ空いてんのにな〜。おれ、サナと一緒にご飯たべたいよ」
「いーのいーの!わたしは一応はメイドでもあるから!」
「え〜、おれたちがいいって言ってんのにー?」
2人ぶんの空席があるテーブルを見つめて、楓くんは未だに納得いかない様子だった。
食事くらい一緒に食べようとわたしを誘ってくれていて、けれどわたしは今日もえへへっと笑いながら首を横に振る。
「だってわたし、こうしてみんなのご飯を準備するのが大好きだから!」
と、言ったタイミング。
人が通れば自動センサーで開くリビングのドアが、誰かを迎え入れるように開いた。



