「…おまえが帰る場所は今日からここだ」
「……え…?」
「日向家の専属メイドにさせてもらった。もしメイドじゃなくなったとしても……ここがサナの居場所だ」
どういうこと……とは、もう、聞きたいと思わない。
あの家に帰りたくないのは本望だった。
どんな顔をして、どんな顔をされるだろうって、冗談抜きで実家は無くなってしまったんだと。
アニキさえいつもの冷静さすらを取っ払ったギリギリの説明だったから、これは本当の謝罪だと受け取る。
「ひゅ、日向 サナに……なるの?」
「…いや。苗字はそのままでいい。もしおまえが変えたいなら変えることもできるが」
「……ううん…、いい、かな」
犯罪者、裏切り者、スパイ。
わたしに貼られたレッテルはどうなるの。
十字架のように背負ったままの、このレッテルは。
「おれ…っ、もう、頭おかしくなりそうだった…!ごめんサナ、おれのこと…嫌いになった……?」
「…裏切り者って…、もう顔も見たくないって……」
「見たい!!!見たいに決まってんじゃん…!!あれだっておれっ、必死に嫌われようとしたんだからさ…!!」



