日向家の諸事情ですが。





久しぶりの灯り。
久しぶりの空気に、久しぶりの景色。

約5日間幽閉されていたわたしは、日向 識の手によって状況を把握できないままリビングに戻ってきた。



「すみませんでした……っ」



初めて聞く弱々しい声でさっそく土下座してきたのは、三男の楓くん。

となりの望といえば……。



「埋まってるって望…!顔っ、床に埋まってるからそれ…!!」


「……いい、埋まりたい…、朽ちていきたい」


「おいっ、さすがにそれはもっとダメだろ…!」



同じように土下座する末っ子。

笑えないセリフを吐きながら、楓くんに止められながらも顔を大理石にめり込ませる勢いだった。



「悪かった、ごめん。…許してほしい」


「………アニキ、」


「嘘なんだ…!ぜんぶっ、あんなの演技で…!」


「…えん、ぎ……?」



戸惑いながらもぼんやりと立ちすくむわたしに、楓くんはどうにか説明しようとしてくれるけれど。

カメラが、盗聴が、わたしのお母さんがと、わかるようで分からない。