革紐を引きちぎるように外して、わたしは檻の外に投げつけた。
カンカンと跳ねて、壁に打ちつけてから止まるペンダント。
そうまでしてしまってからまた後悔のようなものが襲ってきては、情けなくも泣くオチだ。
「…俺もう戻るけど」
「……うん」
ずっとここに居ることなんか、できないもんね。
あなたは孤独な自由人だけど、日向家の次男だ。
家柄もしっかりしていて、将来の保証もされている御曹司。
長男にはなれなくとも次男だからこその地位を手にすることができる人間だ。
牢内の端っこ。
わたしはいつもここにうずくまって1人の夜を乗り越える。
「さすがにこんなの長引かないと思うし、言ってあと数日の辛抱。…耐えろサナちゃん」
南京錠が外側から掛けられて、彼は少し余白のある動きをしてから地下牢を出ていく階段で、ふと聞こえた。
「もし次来たときまでにそのパン食べ終えてなかったら、腹立つから次はキスだけで止めてやんないよ。…犯すからなフツーに」
呆然とうずくまるわたし。
そして居なくなってから、ひとりになってから。
「っ、なにあれ……っ」
ぶり返してきそうな唇の熱を忘れるように、パンと水を無我夢中にお腹に入れた。
これが日向 葉奈の「助け方」だとするなら。
────……いくらなんでもズルすぎる。
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