日向家の諸事情ですが。





「…じゃあとりあえず水、飲めよ」


「……うん…っ、のむ…っ」



飲むから助けて。
飲むから今日はずっとここにいて。

毎日毎日怖くて冷たくて、すごく寂しいの。


そんなふうにズルい約束を取り付けようとしたわたしに。


なぜかペットボトルの水をグビッと飲んだのは葉奈自身だった。



「なん…ッ!ふっ…っ、ん…!!」



なに……、どうして…。

どういうこと……?


どうしてわたしは唇を同じもので塞がれているの。


驚いている反動を使って割り入れられたところに、つうっと入ってくる水。

思わず引きそうになった頭なんか、とっくに押さえられている。



「んん…っ、ふ…っ」



ごくり、ごくり、と。

わたしが確実に喉を動かすのを、妖艶に射抜いてくる瞳が確認しているようだった。


そこまでしてわたしを生かすなんて、なんとも葉奈らしくない。


相手は大嫌いなメイドなのにね。

わたしはまたあなたのメイドのイメージを下げてしまったはずなのに。



「ッ、んぁ…っ」



もう水はとっくに流し終わっている。

けれど容赦なく口内を犯すように、熱く熱く絡め取られていく舌。