日向家の諸事情ですが。





「お母さんが何を目的にしてたのか…、本当に…なんにも、なんにも知らないんだってばぁ……っ」



どうして日向家なのか。

たまたまじゃないことは、もう察するよ。
なにか特別な目的があったのだろう。


血の繋がらない娘を使って、果たそうとした目的が。



「はな…っ、葉奈…、」



こんなこと言うわたしは、最低だ。

ポロポロと涙がこぼれ落ちるなかで名前を呼ぶと、ふっと頬を押さえていたチカラが弱まった気がした。


葉奈…、葉奈……、




「た…っ、たすっ、────たすけて……っ」




ここから出して、なんて言わない。

冤罪だとしてもわたしが知らないうちに盗撮して、盗聴器を仕掛けてしまったことは確かなんだから。


事実は事実なんだから。


でも、それでも。
あなただけはわたしの味方でいて。

信じなくていい、疑い続けていい。


でもおねがい………わたしを見捨てないで。