日向家の諸事情ですが。





わたしだけ「日暮家の当たり前」に、昔からどうしても対応できなくて。

才能ナシで勉強不足って言われつづけて、祖父にも「染まれない器」と言われた。


おかしいと思った。


顔……考えてみれば確かにお姉ちゃんたちと似てないから。

言われてみればお母さんにもお父さんにも似ていない。



「ここ…っ、13回目の奉仕先に追い出された直後に…お母さんに命令されて……」


「それは断われなかったの?」


「おうちっ、もし帰ってきたらわたしが帰る家ないって…っ、脅されたから…」


「あー、だからあのとき言ってたのか。…どうしても母親はおまえに行かせたかったわけね」



ペンダントは最初、していなかった。

あなたは忘れているかもしれないけれど、日向家にきた初日、葉奈とわたしは一応会っている。



「…覚えてるよ。うっすいまずい牛乳みたいなやつ」


「っ…、シチュー…っ」



絆創膏を探していたから差し出したけれど、冷たく断ってきた。

ひどい言葉を浴びて、馬鹿にされて。


でもそこではわたし、ペンダントしていなかったでしょう…?