「……おい」
殺風景で温度を感じさせない地下牢は、屋内だということを忘れさせた。
1日に何度か、不定期で訪れてくる1人。
1日2回のときもあるし、1回のときもある。
必ず手にはその日ぶんの食事を持って、その瞬間だけ南京錠がほんの少し開けられるのだ。
こじ開けようなんて、もう思ってないよ。
そんな気力も精神も………ない。
「おまえこのままだと死ぬけど」
人間は水すら口にしなかった場合、4日〜5日で脱水症状を起こして命の危険が高まるという。
「なんか知らないけど俺が世話係にされたんだよ。餓死を見届けんのだけは胸糞悪いからさ、…食べろよ」
いらない、来なくていい。
そう拒否して3日が経った。
わたしの世話係に任命されたらしい男は制服姿のときもあれば私服姿のときもあり、今日は制服姿だった。
「……あっそ、意地でも食べないってわけね。なら意地でも食べさせるから」
そう言って南京錠を再び開けて檻のなかへと入ってくる、葉奈。



