日向家の諸事情ですが。





顧客データだけは厳重管理、それはどの企業だって徹底させていることだ。

企業が金以上に大切にしているものは信頼なのだから。


そこが崩れたなら、すべてが足場からボロボロと崩壊していく。


てかあんなガラクタみたいな盗聴器と盗撮器だけでここまで壊されるとか、うちのセキュリティどうなってんだよ。



「こいつは俺たち日向家を乗っ取ろうとしている犯罪者だ」


「な、なんのこと…?───きゃ…ッ!!」


「今すぐこの屋敷から出ていけ」



初恋の相手によって乱暴に床に打ち付けられたそいつは、ほんとうに小さく見えた。

おまえ消えるでしょ、たぶんそろそろ。



「最低だよサナ。そんなやつだとは思わなかった」


「な、なんで……?楓くん、わたし、なにもしてないよ…?」


「だってさあ…これ、監視カメラなんでしょ?」


「っ…!そ、そう…なの…?」


「そうなのとか、しらばっくれんなよ」



楓がペンダントを奪おうとすると、条件反射のように「返して…!」と叫んでしまったのがアウト。

逆にまた信用が欠けた奴らにとってはトドメのような言葉になった。