『でもわたし…、今までいっぱい、たくさん失敗してきたけど。…でもぜんぶ……その時間があったから今のわたしが居るんだって…思うよ』
おまえと俺を同じにするな。
俺の苦しみが、おまえなんかに分かるはずがない。
『む、無駄な時間なんか…ないよ』
『じゅ、14回目でやっと…わたしがこんなに温かい家族に出会えたように……ちゃんとぜんぶ、意味が…っ、あるから…』
腹が立ったけど、なぜか恨めなかった。
恨めないどころか甘えてしまいたくなった、なんて言ったら。
おまえ笑うだろ?
「でも…どんなに苦しくても、みんなほんとうの家族だから……、いいね」
くしゃっと眉も目も鼻も口も歪ませて、「いいね」とか。
「ふざけるな」って言われたようにしか聞こえないんだよ。
そうかおまえがいちばん恨んでるのは俺かって、そうさえ思えてしまう。
まるで同族だと、同胞だと思い込んでいた相手が、そうではなかったように。
そんなふうに俺には聞こえてきた。



