日向家の諸事情ですが。





「はーいおやすみぃ…」


「んもうっ!こらっ!寝るなって…!」



てかっ、なんで上半身裸なの…!?

夏だからっていくらなんでもダメだよそれは…!
冷房もガンガン効かせてるし…!

そんな姿でわたしを抱きしめて寝ないでってばぁ…っ。



「………暑苦しい。退いてまじ」


「んなっ、なんだおまえ…!!」



むくっと起き上がって、我こそのペースで楓くん起床。

ふあ〜っとあくびをして、「おはようサナ」と、甘く囁いてくる。



「くっ…、イケメンじゃなかったら許さなかったのに…!!」


「ふはっ!ラッキー」



本格的な夏が始まって、高校生組は夏休みに突入。

楓くんは日中どこかに出かけることもなく、家でゲームしたり映画を観たりと、意外にもインドアな一面を見せていた。


対する末っ子といえば……。



「かわいい顔して眠ってやがる……」



丸まるように横向き。
影を落とすまつ毛、日焼けなど知らない肌。

まるで物語のなかの美男子の寝顔だ。


自然いっぱいの森のなかに住んでいる、日差しに弱い性分の妖精といったところか。