日向家の諸事情ですが。





わからない。
この男の考えてること、0から100まで1ミリも。

ほんの少しでもあなたが見えたと思ったのは勘違いだったの……?


でも、おかしいね。


「俺は正真正銘男なんだよ」って、あからさまにわざわざ知らしめてるみたい…。



「む、無駄な時間なんか…ないよ」



カタカタと震えながらも言葉を発すれば、なぜか動きはピタリと止まった。

そして顔を離して冷酷に見下ろしてくる。



「じゅ、14回目でやっと…わたしがこんなに温かい家族に出会えたように……ちゃんとぜんぶ、意味が…っ、あるから…」


「…………」



なにを考えている顔なんだろう。

欠点を見つけるほうが困難なその顔立ちは、正直言えば羨ましい。


でも、あなただけの特徴を出すならば。


いつも、ずっと、あの写真に写った女の子と同じ悲しい目をしている。



「だからっ、」


「黙れ。口塞がれたい?」


「っ、………スミマセン…」



そのあと特別なことはなく。

いつの間にか寝ていたらしいわたしは翌朝、自分の部屋のベッドの上で目を覚ます。



「…ちゃんと掛けられてる……」



肌からスルッと落ちたタオルケット。
昨日の大雨が嘘のようにカラッと晴れた空。

寝るまで一緒にいたはずの彼は、やっぱりこつ然と姿を消していた───。