日向家の諸事情ですが。





あうう……。
わかってるよ、そんなの重々承知だよ。

でもね、常識を覆してくるのが停電なの……っ。

ふざけてないもん……、わりとガチだもん。



「熱帯夜じゃないことだけが救いだな。エアコンないとキツかったら最悪だった」


「た、たしかに…」



まだ夜はちょっぴり寒いくらいだもんね。
日中はつけても、夜は冷房を消すくらいの。

夏はずっとこれくらいの気温ならいいのに。



「…ねえ、おまえさ。なんか隠してる?」


「え…、わたし…?隠すって……?」


「…べつに深い意味はないけど」



わたしが隠してること…?


いつもわりと悪態をついているってこととか、最初は「優等生」のふりしてこの屋敷に来たこととか。

わたしが隠してることなんかそれくらいで、秘密がたくさんあるのはあなたを含めた誰かさんたちだと思う。



「……あ。…ある、かも」


「話せ」


「えっ、いやでも…それだけは……」


「俺ここまでしてやってんのに?」


「うっ…、でも本当に…、たぶんわたしのイメージ下がっちゃうから…」


「大して最初から上がってない」