日向家の諸事情ですが。





「あー、そーいうこと。雷ムリなの?」


「うっ…」


「だから俺に一緒にいてほしいって?」


「っ…、な、なに…?」



どうしてそんな読めない顔をして近寄ってくるの…!


トンッと、背中は壁。

逃げられないなか、追ってくるように手を突かれて捕らわれた。



「んじゃあ俺を楽しませてくれんの?」


「た、楽しませますとも…!」


「昔話とか子守唄とか言い出したら、俺おまえを蹴り飛ばすから」


「そっ、そんな…!ひ…っ」



気づけば、耳元。

熱い吐息が広がって、鼓膜を震わせてくるハスキーボイス。



「この意味、さすがにわかるだろ?」



ドクドクドクと、心臓が感じたことのない苦しさに押しつぶされる。

この17年間、わたしが経験したこともないことを、きっと目の前の男は18年で手にしているのだ。


夜、同じ部屋、男と女、一緒に寝る。


メイド業のマニュアルには、もちろんそのようなことは例外としても表記されておりません。



「わっ、わかった…っ」



ぎゅうっと目をつむる。

それほど雷に怯えている自分が、なんとも情けない…。