日向家の諸事情ですが。





悔しいけど、悲しいけど、ここはワガママ言うところじゃないもんね…。

世の中はどうしようもないこともある。
物理じゃ解決できないことだってあるから。



「…わかりました。ありがとうございました大将…、また機会があったら……では」



と、電話を切ったタイミングで。



「うわあ!すっごい降ってきた……!!」



ポツ、ポツ、ザァァァァァーーー。

まさかの大雨本降り。
ここまで天気に弄ばれることもなかなかだ。


そして少し離れた場所にいたはずの次男、とっくに姿を消している。



「あっんのやろうめ!!てか雨っ、やだもうビショビショだぁぁ…っ」



やっぱり結局こうなるの…。

サプライズ、大失敗。



「花火?」


「…うん。予約殺到の有名打ち上げ職人さんにね、お金のチカラでうまいことやったのに……ちくしょう」


「正直すぎだろ」



髪を軽くフェイスタオルで拭く葉奈と、シャワーまで浴びて全身着替えたわたし。

着替えたといっても、予備のメイド服なんだけれど。


落ち込みながらもメイドとして彼にハーブティーを淹れながら、肩をガックシ落とす。