幼なじみは不滅です!

「ん? どうかしたのか?」
「あのね、驚かないで聞いてほしいんだけど……。実はね、今日から、『モノ』のレベルが見えるようになっちゃって……」

あたしはためらいつつも言う。

「それに、隼人……。今日、転校してきた緒方くん。あれ、絶対に瞬くんだよね……?  隼人も、そう思ったよね……?」

あたしは勇気をふりしぼって切り出した。
すると、隼人は意外にも真剣な眼差しで話を聞いてくれたんだ。

「瞬と……ステータスが見える現象か」

隼人は少し考えた後、あたしの肩をぽんぽんと優しくなでる。

「こはる、あまり思いつめるなよ。その能力、意外と便利かもしれねーじゃん」
「うーん。便利なのかな、便利なのかな」

呪文のようにとなえて、ぱしっと自分のほっぺたを両手ではさんだ。
この能力って、本当に便利なのかな?

「って、あれ……?」

そこで、隼人の言葉に違和感を覚えた。

「どうして、隼人はステータスが見える現象を、あたしが持っている能力だと思ったの?」
「そりゃ、俺も、そういった能力を持っているからだ」

ふふん、と隼人は胸を張る。

「え、ええっ。隼人も――」

びっくりして、思わず言いかけたあたしは慌てて口をおおった。
すぐにそっと周りを確認してから、隼人を見る。
隼人も、能力を持っているって。
それって一体――。

「俺の持っているのは、『もう一人の自分を生み出す能力』だ」
「もう一人の自分?」

あたしがきょとんとすると、隼人は真剣な顔をした。

「まあ、姿は違うから、『別人を生み出す能力』って言った方がいいかもな」

……もう一人の自分、なにそれ?
今の自分とは別に、もう一人、自分がいるってことなのかな。
まるで、どちらも自分自身のように、隼人は表現しているよね。

「それって、どんな能力なの?」
「うーん、そうだな」

興味津々で聞くと、隼人はどうしたら伝わるのかと悩む。

「いや、直接、会った方が早いな」
「えっ……?」

あたしは弾かれたように顔を上げる。
そう言うと、隼人は机に置いていた、自分のランドセルを背負った。

「え、会うって……誰に? 」
「もちろん、もう一人の俺だ。今から会わせてやるよ」

隼人はあたしの手をつかんで、歩き出した。
そうして、連れられてきたのは校舎裏。

「おーい、瞬!」

隼人の視線の先。
そこには今日、転校してきた瞬くんがいた。
隼人の声に導かれるように、瞬くんは少し戸惑いつつも、あたしたちのところまでやってくる。

「あっ……」

思わず、声を上げそうになったけど。
隼人はあたしの口を手で制し、耳元でこっそりとつぶやく。