幼なじみは不滅です!

「ただいま」
「おかえりなさい」

家に帰ると、お母さんが食事の支度を整えて待っていた。
テーブルの上には、既に夕食が並んでいる。

「ねえ、お母さん」
「こはる、どうしたの?」

身を乗り出したあたしに、お母さんが不思議そうにした。

「緒方瞬くんって覚えている?」
「もちろん。こはるは、いつも隼人くんと瞬くんと一緒に遊んでいたから」

そう聞くと、お母さんは優しく微笑んだ。

「確か先日、こちらに引っ越してきたのよね。瞬くんがどうしたの?」
「その……、お母さん。瞬くんが川でおぼれた時のこと、覚えている?」

あたしは思いきってたずねた。
瞬くんが死んだ日から、ずっと避けていた話題。
改めて口にすると、悲しい気持ちがあふれてくる。
今の瞬くんとどれだけ言葉を交わしても、消せない事実がそこにはあった。

本物の瞬くんはもういない――。

それはもう、絶対に変えることのできない真実としてあたしたちに深く深く根ついている。
だけど……。
お母さんから返ってきた言葉は、全くの予想外なものだった。

「川でおぼれた? 何のこと?」
「え……」

その言葉を理解するのに、少し時間がかかった。
……あ、そっか。
隼人の能力で、川でおぼれたこともなかったことになっているんだ。
しばらく経ってから、ようやくそのことを実感する。
やっぱり、この世界で、瞬くんが死んだ事実を知っているのはあたしと隼人しかいない。
いろんな気持ちがせめぎ合って、心が爆発しそうだった。
夕食を終えた後、あたしはしんみりと階段を上がる。
そして、部屋のドアを開けた、その瞬間――。

パパァーン!!

にぎやかな音が鳴り響き、大きなくす玉がパカッと割れた。
な、何事!?
あたしはびっくりして、目をぱちくりさせる。
すると、くす玉から、ピカピカと赤く点滅をくり返す存在が現れた。

『アルバム、レベル5。事前登録受付中度100』
「うわあっ!?」

あたしの悲鳴がこだまする。
だって、アルバムのステータス画面がめちゃくちゃ豪華なバージョンだったから。
……というか、事前登録受付中度って、なに?

「もしかして……アルバムを見てほしいってこと?」

嫌な予感とともに、言葉を吐き出すと。

『アルバムを見る』
『アルバムのアドバイスを聞く』
『ほっとく』

また、いつもの選択コマンドが出てきた。

(アルバムを見る……)

そう思った瞬間、ズキンッと胸に痛みが走った。

……頭に浮かんだのは瞬くんの穏やかな笑顔。

前に隼人と瞬くんと一緒に、あたしの家でアルバムを見せ合いっこしたことがある。
その時、瞬くんが楽しそうに笑いながら言ったんだ。