凪渡くん、このままじゃ溶けてしまいます【完全版】

あの日。私は回らない頭のまま、返事すら出来ないまま、凪渡くんに家まで送って貰っただけだった。

そして回らない頭のまま、考えることからも逃げて、またあの公園からも逃げる日々。

そんな風にどれだけ私の頭が回らなくても、日常だけは勝手に回っていき、学生である私は高校に向かえば授業を受けるしかない。

「白木! 白木……!」

先生というものは、生徒が授業に集中していないことにいつも驚くほど敏感に気づく。

「ちゃんと聞いているのか」

「すみません……」

「今からはちゃんと集中するように」

「はい……」

ああ、眠い。こんな時でも眠いなんて本当にバイトを減らすしかないのだろうか。