翌日の放課後、鈴花は陽菜の誘いを笑顔で断り、再び月霧堂へと足を運んでいた。 「今日は何にしようかな⋯⋯」 昨日の十六夜まんじゅうは、ハクとクロに大好評だった。 天満も「甘かったか」と聞いてくれた。 ショーケースの中には、季節限定のもの、色鮮やかな和菓子が並んでいる。 ⋯⋯これにしよう。きっと、あの庭に似合う。 鈴花が選んだのは、淡いピンクと白のグラデーションが美しい、落雁と琥珀糖の詰め合わせだった。 宝石のようにキラキラしたそれを持って、鈴花は夕暮れの石段を駆け上がる。