『ピロピロ〜』
も、もう6時30分だ。起きて、支度をして……。よし、終わった!
『コンコン』
「あ、一条さん。おはようございます」
一条さんは太陽にも負けない笑みを浮かべ、「おはよう」と挨拶をした。
「雫、朝ご飯できてるぞ」
朝ご飯か。食堂に行こ……。
「お前、食堂に行こうとしただろ。特別寮には、ちゃんとその建物に専属シェフがいるんだ」
「へぇ、そうなんですね。……ていうか、この学校、めちゃくちゃお金持ちじゃないですか⁈」
「まあな。“日本一のお金持ち学校”って言われてるから、例えいくら学力があるとしても、裕福な家に住んでいないとこの学園は行けないんだ。厳しいよな」
「なるほど。それに、入試がめちゃくちゃ難しいって聞きました」
「雫も受けただろ……。当たり前だ。ここ、“日本一のお金持ち&進学校”とも呼ばれてるんだ。教育は質が高いし、グローバルな授業もたくさんあるぞ」
私と同じでまだこの学園に通うのは全然初めてのはずなのに、知識が多いな。私も学園のこと勉強しておけば良かったとうっすら思う。
「じゃあ、下の階に行こう。もう支度は済ませたんだな」
「はい、行きましょう!」
真っ白でチリひとつない階段を、恐る恐る歩く。
「わぁぁ……。豪華ですね」
その瞬間、食堂にいた全員が、一条さんに次々と礼をした。何これ⁉︎
「も、もしかして雫、驚いてるのか?」
「はい……!何ででしょうか」
すると、食堂にいた食堂担当教職員の女の人が、
「あら、貴方は一条様のご家庭のこと、知らないの?貴方の名前と学年を教えて」
「私、は、菊林雫、中学一年生です」
「ふーん。実はね、一条様は、お父様が、学校の校長だから様付けしてるの。例え、教職員でも、一条湊様より学年が上の中学二年の生徒でも、中学三年の生徒でも、必ず、彼、湊様には敬意を持って接するのよ。様付けもあるし、敬語で話すし、一部の人は違うけれど、多くの人は敬遠しちゃうわね」
(一部の人って誰?)えぇぇ!そんな話聞いたことない!で、でも、あるのか……。
「父が校長なだけで、こんなに暑苦しいことをされるなんて、俺としてはちょっと不満だけどな。大体、こんなルール、どこの誰が作ったんだよ。おかげで女子があちこちから来るんだ、疲れるに決まってんだろ……」
一条さんは、やや激怒モード。
「あのぅ、ルールがなくても、一条さんはたくさん女子からモテると思います」
「でも、俺は雫しか興味ナシだから。別に他の女子なんてどうでもいい」
「あらあら。ラブラブじゃない〜。まあ、そういうお年頃よね、青春っていいわぁ〜」
って一人でルンルンしてる食堂教職員の女性を、一条さんが「うるさいですよ、静かにしてください(うっせぇな、黙れ)」って嗜める。
「た、食べましょう」
「そうだな。そろそろ食わないと、学校遅刻する」
「さあさ、どうぞ〜。雫ちゃんは、洋食派ね。一条様も、洋食派」
女性はプレートを二つ持ってくる。
お、お、美味しそう!
香ばしい香りがするちょっと大きいフランスパンに、ハムとチーズとレタスが挟んである。
程よく焼けてジューシーなサイコロステーキも!
更に、栄養をもっと摂取するために、サラダも。
白いヨーグルトにはブルーベリージャムで♡が描かれている。
私は、目を輝かせて食べた。一条さんは、食べ盛りだろうな!と思ってたけど、意外と少食。しかも優雅に食べてて、すごい。
「良かったわ。食べている時の雫様、可愛すぎ!雫様が食べているのを見ると、なんだか癒されて、落ち着くわね〜」
「ああ、本当に雫がご飯を食ってるの見ると、幸せになるよ。」
そして何分か経った。
「ご馳走様でした」
「どういたしまして、また来てね!今度新作のレシピがあるから」
__楽しい朝食の時間は、終わった。そこからが、第一関門だということを、私は知らなかった。
寮から5分歩くと、学校に着いた。
そして、学校での支度を済ませ、席に着く。ショートホームルームが始まりそうな時。
さっきから思ってたんだけど、私ずっとジロジロ見られてる気がする。
「ねえねえ」
クラスの華やかな女子グループの中の一人が近寄ってくる。
「はぃ……」
「どうして、あんただけ、一条様に愛されてるの?地味子ちゃんのクセに!あたし達だってさ、一条様とお近づきになりたいのに、一条様を卑怯な手で陥れようとかしてない⁈」
「……」
「あははっ。図星ですって顔〜。一条様に告げ口しようかな〜。それとも、やってあげようか?」
わっ。ど、どうしよう。ぶたれそう……!
『ガラ』ドアが開く音がした。
「一条様、こんにちは♡」
女子グループの子が言う。
「なんだ」
「あの〜、この子、貴方を卑怯な手で陥れようとしてるんですよ〜。そんな人より、あたし達みたいに真っ直ぐな人を選んだ方がいいんじゃないですか、」
「黙れ、うるさい」
「一条様!どうするんですか!この子と一緒にいると、不幸になりますよ〜」
「お前は真っ直ぐなんかじゃないだろ。そうやって雫の悪口言って、不幸になるのはお前らだ。」
一条さんは私の頭に手を乗せる。
「雫に手を出したら、」
「即、消えてもらっちゃうよ〜♡」
と笑顔で恐ろしすぎる発言をしたのは、隣のクラスの、優馬君。
「そんなん当たり前だろ。常識だ。停学か学園永久追放になるかもな」
いえいえ、御子柴君。それは常識ではないのでは……。
「うっ……。と、とにかく、覚えてなさいよ……!」
3人の激怒のオーラに怯えたのか、その女子は逃げるように去って行った。
「……大丈夫か、雫。ああ言う品が無い奴らもいるけど、俺が守る」
「俺も」
「俺もだよ」
うっ……、うっ……。怖い気持ちと嬉しい気持ちが混ざり合い、泣いてしまった。
「あっ、ありがと、うございます……ぅっ。みんなが居てくれて、嬉しい……っ」
「雫様、授業のお時間です」
雫様?私そういう風に呼ばれるんだ……。って!この人だれ!
「こんにちは。今日から貴方のお世話係になります湖城莉音と申します。一条湊様の親戚です」
「……はわわ……。よろしくお願いします、莉音さん」
「では、私は、ここで失礼いたします。困った事がある時は、一条様、または、私、湖城莉音にお申し付けくださいね」
私はこくこく頷く。そうすると、莉音さんは、天使の微笑みを残して廊下に出ていった。綺麗な人だな……。
一件落着。『ポン』。あれ?
「雫、聞いていいか」
「はい、どうぞ」
「雫は、何か秘密を持ってないか。なんか怪しい」
うわ、痛い所をつかれちゃった。あ、言ってなかった。実は、私、こんな地味女なんですが、し、信じてもらえないかな、実は、月の女神と神の子供なんだ……。それがバレると大変だから、色々と変装してるんだけど……。バレそう……。いや、確実にバレるな。
「……、あの、話して良いのか分からないんですが、信じてもらえるかどうかも分かりませんが。私、なんて言うんでしょうか、月の神の子供なんです。それで変装もしてて」
小声で話すと、一条さんはこっちに顔を傾けてくれた。ふわっと良い匂いがする。
「なるほどな。どうりでなんかキラキラしてるって訳か」
「キラキラ?私そんなにしてます?……ん、でもそういえば、お父様とお母様から月の神の子は眩いオーラを放っている。でも、それが見えるのは世界で一人くらいしかいない。それは、貴方の恋人。って言われた記憶があります」
「俺は、その一人か。嬉しい、雫の恋人になれて。あぁ、いつか、雫にもっともっと好きになってもらえるように頑張る」
「……わ、私、好きです、一条さん。恋愛的な意味で」
「そうか。ありがとうな。あと、一条さん、じゃなくて、湊って呼んで」
「いいい、いきなり名前呼びは恥ずかしいので、湊君で良いですか」
一条さん……じゃない、湊君はほんわか笑って頷いてくれた。とっても、胸があたたかくなった。幸せ。
も、もう6時30分だ。起きて、支度をして……。よし、終わった!
『コンコン』
「あ、一条さん。おはようございます」
一条さんは太陽にも負けない笑みを浮かべ、「おはよう」と挨拶をした。
「雫、朝ご飯できてるぞ」
朝ご飯か。食堂に行こ……。
「お前、食堂に行こうとしただろ。特別寮には、ちゃんとその建物に専属シェフがいるんだ」
「へぇ、そうなんですね。……ていうか、この学校、めちゃくちゃお金持ちじゃないですか⁈」
「まあな。“日本一のお金持ち学校”って言われてるから、例えいくら学力があるとしても、裕福な家に住んでいないとこの学園は行けないんだ。厳しいよな」
「なるほど。それに、入試がめちゃくちゃ難しいって聞きました」
「雫も受けただろ……。当たり前だ。ここ、“日本一のお金持ち&進学校”とも呼ばれてるんだ。教育は質が高いし、グローバルな授業もたくさんあるぞ」
私と同じでまだこの学園に通うのは全然初めてのはずなのに、知識が多いな。私も学園のこと勉強しておけば良かったとうっすら思う。
「じゃあ、下の階に行こう。もう支度は済ませたんだな」
「はい、行きましょう!」
真っ白でチリひとつない階段を、恐る恐る歩く。
「わぁぁ……。豪華ですね」
その瞬間、食堂にいた全員が、一条さんに次々と礼をした。何これ⁉︎
「も、もしかして雫、驚いてるのか?」
「はい……!何ででしょうか」
すると、食堂にいた食堂担当教職員の女の人が、
「あら、貴方は一条様のご家庭のこと、知らないの?貴方の名前と学年を教えて」
「私、は、菊林雫、中学一年生です」
「ふーん。実はね、一条様は、お父様が、学校の校長だから様付けしてるの。例え、教職員でも、一条湊様より学年が上の中学二年の生徒でも、中学三年の生徒でも、必ず、彼、湊様には敬意を持って接するのよ。様付けもあるし、敬語で話すし、一部の人は違うけれど、多くの人は敬遠しちゃうわね」
(一部の人って誰?)えぇぇ!そんな話聞いたことない!で、でも、あるのか……。
「父が校長なだけで、こんなに暑苦しいことをされるなんて、俺としてはちょっと不満だけどな。大体、こんなルール、どこの誰が作ったんだよ。おかげで女子があちこちから来るんだ、疲れるに決まってんだろ……」
一条さんは、やや激怒モード。
「あのぅ、ルールがなくても、一条さんはたくさん女子からモテると思います」
「でも、俺は雫しか興味ナシだから。別に他の女子なんてどうでもいい」
「あらあら。ラブラブじゃない〜。まあ、そういうお年頃よね、青春っていいわぁ〜」
って一人でルンルンしてる食堂教職員の女性を、一条さんが「うるさいですよ、静かにしてください(うっせぇな、黙れ)」って嗜める。
「た、食べましょう」
「そうだな。そろそろ食わないと、学校遅刻する」
「さあさ、どうぞ〜。雫ちゃんは、洋食派ね。一条様も、洋食派」
女性はプレートを二つ持ってくる。
お、お、美味しそう!
香ばしい香りがするちょっと大きいフランスパンに、ハムとチーズとレタスが挟んである。
程よく焼けてジューシーなサイコロステーキも!
更に、栄養をもっと摂取するために、サラダも。
白いヨーグルトにはブルーベリージャムで♡が描かれている。
私は、目を輝かせて食べた。一条さんは、食べ盛りだろうな!と思ってたけど、意外と少食。しかも優雅に食べてて、すごい。
「良かったわ。食べている時の雫様、可愛すぎ!雫様が食べているのを見ると、なんだか癒されて、落ち着くわね〜」
「ああ、本当に雫がご飯を食ってるの見ると、幸せになるよ。」
そして何分か経った。
「ご馳走様でした」
「どういたしまして、また来てね!今度新作のレシピがあるから」
__楽しい朝食の時間は、終わった。そこからが、第一関門だということを、私は知らなかった。
寮から5分歩くと、学校に着いた。
そして、学校での支度を済ませ、席に着く。ショートホームルームが始まりそうな時。
さっきから思ってたんだけど、私ずっとジロジロ見られてる気がする。
「ねえねえ」
クラスの華やかな女子グループの中の一人が近寄ってくる。
「はぃ……」
「どうして、あんただけ、一条様に愛されてるの?地味子ちゃんのクセに!あたし達だってさ、一条様とお近づきになりたいのに、一条様を卑怯な手で陥れようとかしてない⁈」
「……」
「あははっ。図星ですって顔〜。一条様に告げ口しようかな〜。それとも、やってあげようか?」
わっ。ど、どうしよう。ぶたれそう……!
『ガラ』ドアが開く音がした。
「一条様、こんにちは♡」
女子グループの子が言う。
「なんだ」
「あの〜、この子、貴方を卑怯な手で陥れようとしてるんですよ〜。そんな人より、あたし達みたいに真っ直ぐな人を選んだ方がいいんじゃないですか、」
「黙れ、うるさい」
「一条様!どうするんですか!この子と一緒にいると、不幸になりますよ〜」
「お前は真っ直ぐなんかじゃないだろ。そうやって雫の悪口言って、不幸になるのはお前らだ。」
一条さんは私の頭に手を乗せる。
「雫に手を出したら、」
「即、消えてもらっちゃうよ〜♡」
と笑顔で恐ろしすぎる発言をしたのは、隣のクラスの、優馬君。
「そんなん当たり前だろ。常識だ。停学か学園永久追放になるかもな」
いえいえ、御子柴君。それは常識ではないのでは……。
「うっ……。と、とにかく、覚えてなさいよ……!」
3人の激怒のオーラに怯えたのか、その女子は逃げるように去って行った。
「……大丈夫か、雫。ああ言う品が無い奴らもいるけど、俺が守る」
「俺も」
「俺もだよ」
うっ……、うっ……。怖い気持ちと嬉しい気持ちが混ざり合い、泣いてしまった。
「あっ、ありがと、うございます……ぅっ。みんなが居てくれて、嬉しい……っ」
「雫様、授業のお時間です」
雫様?私そういう風に呼ばれるんだ……。って!この人だれ!
「こんにちは。今日から貴方のお世話係になります湖城莉音と申します。一条湊様の親戚です」
「……はわわ……。よろしくお願いします、莉音さん」
「では、私は、ここで失礼いたします。困った事がある時は、一条様、または、私、湖城莉音にお申し付けくださいね」
私はこくこく頷く。そうすると、莉音さんは、天使の微笑みを残して廊下に出ていった。綺麗な人だな……。
一件落着。『ポン』。あれ?
「雫、聞いていいか」
「はい、どうぞ」
「雫は、何か秘密を持ってないか。なんか怪しい」
うわ、痛い所をつかれちゃった。あ、言ってなかった。実は、私、こんな地味女なんですが、し、信じてもらえないかな、実は、月の女神と神の子供なんだ……。それがバレると大変だから、色々と変装してるんだけど……。バレそう……。いや、確実にバレるな。
「……、あの、話して良いのか分からないんですが、信じてもらえるかどうかも分かりませんが。私、なんて言うんでしょうか、月の神の子供なんです。それで変装もしてて」
小声で話すと、一条さんはこっちに顔を傾けてくれた。ふわっと良い匂いがする。
「なるほどな。どうりでなんかキラキラしてるって訳か」
「キラキラ?私そんなにしてます?……ん、でもそういえば、お父様とお母様から月の神の子は眩いオーラを放っている。でも、それが見えるのは世界で一人くらいしかいない。それは、貴方の恋人。って言われた記憶があります」
「俺は、その一人か。嬉しい、雫の恋人になれて。あぁ、いつか、雫にもっともっと好きになってもらえるように頑張る」
「……わ、私、好きです、一条さん。恋愛的な意味で」
「そうか。ありがとうな。あと、一条さん、じゃなくて、湊って呼んで」
「いいい、いきなり名前呼びは恥ずかしいので、湊君で良いですか」
一条さん……じゃない、湊君はほんわか笑って頷いてくれた。とっても、胸があたたかくなった。幸せ。

