擬人化桃太郎伝説

 これは擬人化した桃太郎の世界。
 鬼退治をされたあとの桃太郎の世界では、鬼たちは大変困っていました。

「仕方ねぇよ。どうせ俺たちは嫌われ者だ。全員が悪いことをしているわけではないのにな」

 鬼は途方に暮れていました。若い美しい男性の鬼は負傷しており、お金をとられた一家は貧しく今後は生活がなりたちそうにありません。なんで俺たちがやられるんだよ。怨みと憎しみの気持ちが鬼の心にわいてきました。
「なぁに、大丈夫。鬼の仲間があいつらの中に紛れてるから、今夜お金は戻ってくるよ」
 もう一人の鬼がにやりとしました。

 そのころ、桃太郎の家にて――。

「あれ? そういえば鬼って言ってもどの鬼が悪い鬼だったんだろうな? とりあえず手あたり次第やっつけたけど。俺には鬼の識別なんて色くらいしかできねえし」
 桃太郎が鬼について語る。桃太郎は見た目は悪そうな不良キャラだった。
 このあたりの者は誰も逆らえない。

「でも、まぁ財宝もらったんでよかったじゃないっすか?」
 サル系男子が分けてもらった財宝を抱えながら酒をみんなにふるまう。
「このお金で新車でも買いたいし、新しい事業でも始めるかなと思ってますけど」

「俺、燃え尽き症候群ってやつかもしれない」
 不良である桃太郎は桃色に髪を染めてみたけど、似合ってるのかななんて自問自答中。
 
「堂々と生きましょう。俺たちは村を救った英雄なんですからね」
 犬系男子はにこやかに誇らしげな様子で首に宝石をかけて鏡をみつめています。
 元々女性にかわいがられるワンコ系男子なので、もしかしたら宝石を女性にプレゼントするのかもしれません。
 職業は夜の仕事です。

「一生困らないお金が手に入ればいいんじゃないんすかね?」
 キジ系男子はにやりとしながら酒を飲み始めました。

 桃太郎の仲間のふりをした鬼の仲間は誰?

 そして、本物の鬼がいます。
 鬼とは、悪いことをするとか心のないひどいことをすることを現わす象徴の言葉です。
 本当の鬼って誰でしょうか?



★解説
 このお話は気の毒な鬼の話です。鬼が本当は悪い奴じゃないのに、財産を奪われたのです。
 仲間に鬼がもう一人います。
 猿鬼という存在を知っていますか?
 一本角が生えた能登半島に伝説を残した鬼がいました。
 猿は鬼の仲間だったのです。
 そして、本当の鬼は桃太郎です。