再開した幼なじみに翻弄されて

「おかえり、なぎ」


なんでいるんだろう。


久しぶりだ、何年ぶりだろ。


3年、か。最後に会ったのは、小学校の卒業式。
ママが亡くなって、親同士のつながりがなくなったから、会わなくなってしまった幼なじみ。


八城もえぎは、サンダルを履いて出てくると、私のキャリーケースを引いて、頭を撫でた。


「なぎ?フリーズしてる?」
「ちょっと……びっくりしてる」


嬉しそうに笑う。


「これから、ずっと一緒だよ」


もえは嬉しそうに笑った。


ずっと一緒。


そうなんだ、ずっと。


なぜかその言葉を聞いて、安心した私がいた。


ずっと一緒にいてくれる。
そう意識すると突然、湧き上がるみたいに色々な感情が胸に膨らんだ。


もう、1人じゃない。


世界にひとりぼっちじゃない。


安心した。


嬉しかった。


やっと、居場所を見つけた。


……絶対、手放したくない。


八城もえぎという幼なじみを、今、世界で私のことを1番理解してくれている彼を、絶対に手放したくない。


最愛の人の血を引いた人間、愛した人から生まれてきた子ども、たまたま結婚相手についてきたコブ。


誰かの何かでしかない私を、唯一浅倉深凪として見てくれる人を心底、抱きしめていたいと思った。


「うお、びっくり……」
「ただいま」


私はもえの背中に腕を回した。
ぎゅ、と力を込める。


背、伸びたな。
こんなに、かっこよかったっけ。


胸に顔を埋めた。
もえの、におい。


「おかえり、深凪」


それが、もえとの再会だった。