その恋、両思い未満

しどろもどろに答える俺は客観視クソダサいのでは、
と頭をよぎるけど、なぎはそんなのお構いなしに少し考えたあと、あ、と声を漏らした。


「……私?」


頬が薄く染まった。
何もなかったみたいにドラマに視線を戻したけど、もう遅い。


「なぎ、めっちゃ顔赤いよ」
「今のなし」



拗ねたようにソファの上で体育座りをして、クッションに顔を埋めた。



やっぱり。
思い過ごしかと思ってたけど、俺のこと意識してる。


久々に会った幼なじみとの距離感を決めあぐねているような、そんな表情。


だけど、そんな表情一つとったって、ウブでお年頃な俺からしたら刺激が強い。


あーもう、ホント。
気を抜いたら、この子のどんな表情でも絆される自信がある。


端的に言うと、可愛すぎて怖い。


小学校の頃から、可愛い、ドキドキする、なんてそんなことばっかり考えていたけど、少しずつ大人になったお互いのことを考えると、この感情も、なぎと会わないうちにかなり膨張したものだ。



誰にも壊されないように、守ってあげたい。
だけど、それは多分、なぎのためじゃなくて、俺のため。



「思い出しちゃった?」
「……違う」


笑わないのに、そんな時だけずるい顔して。