その恋、両思い未満

頭の中をぐるぐる回ったのは、



こんなに実家から離れたところに来たのに、なぎの努力は無駄だった?



とか、



なぎの昔を知ってる人間が、俺の近くにいる。



という事実だとか、



本当に、心配とか不安とか、期待とか、やきもち、とか。
いろいろ、全部。



だけど、俺はなぎの気持ちを優先したいから、これ以上大きく反応して、何か勘付かれるわけにはいかない。


「そ、俺こう見えて、浅倉と中学一緒だったんだよ。
いっつも成績良くて、運動もできて、すっげー美人だから、寡黙なのに誰よりも目立ってたよ」


なのに、そんな俺の気持ちとは裏腹に、蜜樹は得意げに語る。
ペラペラと、何も聞いていないのに。


いや、願ったり叶ったりなのかもしれない。
何か関係があるとも、ただのミーハーとも取れるなんとも言えない反応でここまで引き出せるんだから、彼はバカなだけじゃなくてお人よしなんだと思う。


「まあ、女の子に疎まれてることも多かったけど……」
「へえ」
「まあでもやっぱめっちゃモテてたよ。毎日のように告白されるの見たし。付き合ってるのは、一回しか見たことないけど」



元カレが、1人。
蜜樹曰く。