その恋、両思い未満

「疲れんなら話さなきゃいいのに」
「そうもいかないだろ。別に邪険にする理由はないわけだし」
「お人よし」


なぎはすでに教室に戻っていた。
窓際の席で、昨日と同じく固い表情で楽しそうに話す井上さんの話を聞いている。


特に何かあったわけではなさそう。
よかった。
一安心。



……はあ。
再三思うけど。
なぎと離れるたびにこんなふうに考えてたら、俺はもたないんじゃないか?


そもそもこんなに過保護になるのは神経質すぎ?
考えすぎ?


俺としては、いくら考えたって、考え足りないくらい。


小学校の頃、いつだって俺に寄り添ってくれていたなぎに、今度は俺がそうしてあげたいと思うのは、多分、おかしくない気持ちだと思う。