その恋、両思い未満

……あんまり、面白くはないよね。
なんだろう。なぎを安く見積もられている気がする。



「彼氏とかいんのかな〜?」
「いないなら俺ガチで狙いに行こうかな」


こうやって、好き勝手言われているのを聞いていると、幼なじみとしては癪に障る。


なぎがそんな簡単に靡くと思ったら、大間違いだ。
……多分。


どうなんだろう。
不安になってきた。


よく考えてみたらなぎが無口で無愛想な方、だと思っていたのは俺だけ?
環境が環境だったから、言い寄られているところどころか、普通に話しかけられているところすら怪しいくらいだ。


本当は話しかけられたらめちゃくちゃキラキラ笑うかもしれないし、
人並みに、かっこいい人が好きなのかも。



……だとしたら絶対譲らないけど。



「おい、眉間に皺寄せんなよ」



移動教室。
隣でぼやいているのは、萩原真澄。


ちょっと口調強いし性格も強いけど、真面目を絵に描いたような……いや、10人に聞いたら7人は真面目と答えるような絶妙な真面目。



「なに?あの幼なじみのこと?」
「あ、うん。……いや、別にそういうんじゃないけど」
「今一回認めただろ」