その恋、両思い未満

俺が、成長と共に人よりビジュアルが良くなってきたタイプの人間だとすると、


なぎは物心ついたときから、可愛かったと思う。



高校に入って驚いたのは、あまりにもその美貌に磨きがかかっていたから。
すでに完璧と言って差し支えのないあの頃のなぎにこれ以上、美人になる余地なんてないと思っていた。


俺が知っている当時から、女の子の目の敵になっていたから言い寄られたり、とかは見たことなかったけど、中学に上がってからも、小学校から同じだったやつは、いないなぎのことをよく話していた。



『七井さんってめっちゃ清楚で可愛くない?小学校からあんなだったの?』

『どうだったかな〜?うちは浅倉深凪つって七井なんか比になんないくらいの美少女いたからな〜。なんていうの?こう。キラキラしてた。そういう性格の子じゃなかったけど』

『もえぎ、幼なじみだったよな。超可愛いよな?』

『……まあ、そうだね』

『なんだよ。ノリ悪いな。
浅倉ってどこの中学行ったの?引っ越したんだっけ?』



お前のこと好きだったやつに酷い目に遭わされて引っ越したんだよ、と教えてあげたかったけど、そんな義理もなかったから適当に愛想笑いをした記憶がある。