その恋、両思い未満

「なぎって、ピアスあいてるじゃん」



静かな空間をさいたのは、もえだった。
特に意識して黙っていたわけではないけど、何せ昔からお互いに口数が少ないから。



「あいてるね」
「俺もあいてるでしょ?」


俺も、というか。
同じにしないでほしい。


正直最初は見てなかったけど、もえのピアスホールの量は私の比ではない。
耳たぶから軟骨までバチバチだ。
こいろよりあいてるんじゃないかな。


会った日はピアスつけてなかったから気づかなかったけど、出かける時急にあれ、となった。


あんなに痛いもの、よくそんなに何個も開けたよね、と思う。
私は当時の彼氏に開けられた時だって、ちょっと殺意湧いたのに。



「もえは自分で開けたの?」
「うん」
「中学生なのにマセガキだね」
「なぎも一緒じゃん」


2人で少し笑いながら、結局話はなんだったんだっけ、と思い出した。
そう言えば、なんでピアスの話になったんだっけ。


「いや、なぎは学校にピアスつけてくんだな〜って思って」


確かに。何も考えてなかったけど。
今日もいつも通りシンプルなシルバーピアスをつけて、何も考えてなかったからそのまま学校に行った。