その恋、両思い未満

マンションを出て、住宅街の入り口の方に向かって歩く。
ショッピングモールはこのハズレにあるらしい。



お金持ちがたくさん住んでいるのか、一軒家が多いように思う。
特に田舎でもないし、高級車もちらほらあることから察するに、私たちが住んでいるマンションはかなり高めだと思う。


築浅だし、オートロックだし、中もしっかり細かい条件をクリアしそうな作り。
どうせパパが借りたんだろうけど、娘が実家を出るだけで気合い入れすぎじゃない?


……それとも、そうまでして私に出ていって欲しかったんだろうか。



歩き出して数分、ここまで無言だったもえが、こちらに視線を向けていることに気づく。



「なぎはなんでここにしたの?」
「なにが?」
「高校。遠いだけなら、いくらでもあったよな〜って思って」



確かに。
気にするようなことでもないけど、気になっちゃうと知りたくなる、程度の話題。


手が触れそうな距離を歩くもえは私のことを覗き込んでいる。


「やっぱ制服可愛いから?」
「いや、あれはないでしょ。どこの変態が手がけたんだって思ってるよ」


白みの強いグレーの、セーラー服。
それだけならまだ良かった。


スカートと一体になったワンピース型で、ウエストでベルトをつける、女の敵なデザイン。