その恋、両思い未満

バタン、とドアを閉めた。


びっ、くりした……。


なんで上脱いでた?
なんでTシャツ広げて眉間に皺寄せてた?


疑問がたくさん浮かび上がる。


頭の中にこびりついたのは、見た目によらず筋肉質なお腹。


中学の頃はなんの部活してたんだろうか。
どうやったらあんなに腹筋割れるんだろ。



そんなことを考えている間にも、ゆっくりドアが開いてもえが覗いていた。


「大丈夫?脱がない方が良かった?」
「……いや、うん。大丈夫」


黒のインナーだけ着て待ち構えているもえ。
流石に着てくれたらしい。


いや、着てもだけどね。


もえの部屋に入ると少し大きいベッドと、デスクの上になんで?と思うぐらい華やかな色のドライフラワー。



気持ちを改めてクローゼットの中を見せてもらうと、ギョッとした。
服って量より質だな。
何事もか。


「もえってあんま外でないタイプ?」
「いや?結構出るけど。まあ人と遊ぶよりは近くを1人で散歩とかのほうが多かったかな」


なるほど。
誰にもその服変だよとか、コーデキモいよとか言われなかったんだ。
イケメンなのに勿体無い。