その恋、両思い未満

なぎ、キスマ、つけられちゃうよ……?


昨日みたいに、首筋に触れてみる。


「……ん、」


やっぱり、昨日と同じ反応。
首、弱い。



あー……違うのに。
なぎの弱いところなんて、知るつもりじゃなかったのに。


乱されるな、俺。
なぎの天然に乗せられるんじゃない。


疑うことを知らない女の子を裏切るような真似、絶対にしてはならない。


同居を計画した時はこんなつもりじゃなかった。
素直に幼なじみとしてなぎを案じていたつもりだったし、それは今も変わらない。


なぎをあの家から出してあげたかった。



それは成功した。
あとはなぎに普通の生活を送らせてあげたらいい。



なのに俺の邪念が、温泉くらい湧き出る。
身をもって感じる。
思春期男子、恐るべし。



「なぎ、今日の晩ご飯何がいい?」


特に返事は返ってこない。
だけどそんなことを話しかけなきゃ、気を逸らせない。


……俺ってもしかして、信じられないくらいウブなんじゃない?


とりあえず視界をぼかすためにメガネを外した。