その恋、両思い未満

俺が隣に座ると、小さく声を漏らして、俺の肩にもたれてきた。



ん?
あ、え、そうなの?


いや、言った。
昨日言ったよ?


『……その顔も、その声も俺以外には絶対見せないで。約束』


我ながら恥ずかしいことを言った。
だけどそんなさ。


その頻度で、隙見せられるとこちらも気が気じゃないと言うか。


「なぎ、寝るの?」
「……寝ない……ねてない、」


呂律を諦めている言葉を紡いで、肩に頭をこすりつけた。


「寝るなら横になった方がいいんじゃない?」


なぎは何にも言わずに、俺の肩から、俺の膝に移動した。


そう言うことじゃない。
いや、そう言うことだけど、違うくて。
ベッドに行ったらどう?と言ったつもりでした、俺は。


ほんと、隙だらけだ……。



すでに寝息を立てているなぎの頭を撫でてみる。
サラサラの前髪が顔から流れていって、形の整った眉毛が見える。


まつげ、長……。
毛穴もないし、唇もツヤツヤ。


世の中の女の子は、こう言う顔に憧れるんだろうな、と。