その恋、両思い未満

幼なじみは、どうやら素直なママ、成長していたらしかった。


「モノに当たる分には、穏やかな心で見守ります」


あまりにも見当違いな言葉が返ってきたときは、さすがに笑ってしまいそうになったし、少し、愛おしいとも感じた。


ダサいことをした。
強硬手段に出て、無理やり分からせてやろう、なんて考えた。


気のない男にされると、普通に怖いことだったと思う。
なぎは俺への信頼の方が強かったみたいで、きょとんとしていたけど。
だけど、ちょっとの理解は示してもらえているような顔……だったと信じたい。


なぎは絶対に家に帰りたがらないと知っていた。
家に居場所がなくなっていたのは、結構前からだ。


母さんから、なぎのパパさんが再婚したらしい、と聞いた。


いや〜、あれは夕花のこと重ねてるね。
どことなく、雰囲気が似てる。
……ま、夕花より子ども好きそうだし、頭は悪そうだけど、真面目そうなとこもあるしね。


そんなことを母さんは言っていたような気がする。
だけど、程なくして母さんは、眉を顰めて帰ってきた。


深凪ちゃん、新しいお母さんとうまくいってないみたいなのよね。
まあ夕花の子だし、表情わかりにくいところあるからね。