「部活動発表会って、なにをするんですか?」
星名くんの質問に、六崎先輩は「うむ」とうなずく。
「部活動発表会は、毎年、その部の活動内容や活動成績を発表するものだ。例えば吹奏楽部なら、演奏を披露し、なんのコンクールに参加し、その結果どんな成績を収めたのか、一年間の活動成績を発表するんだ」
「なるほど」
そんなに難しい内容ではないような気がするけれど、先輩たちは何故か表情をくもらせている。
「さて、では今年も、ときめき部内の、どの部活動が発表するか決めようと思う」
六崎先輩の言葉に、三滝先輩、夏目先輩、伊瀬先輩までもが立ち上がった。
みなにぎり拳を作り、それを振りかぶろうとする。
びっくりした私は、あわてて立ち上がった。
「せ、先輩方っ! け、けんかは……っ!」
振りかぶった拳を力なく下ろした先輩たちは、きょとんと目を丸くして私を見る。
それから少しして、三滝先輩が「ぶふっっ!」と吹き出して笑った。
「みのりちゃん、違う違う!」
「え?」
「別に俺たちはけんかするわけじゃないよ。ただじゃんけんで決めるだけ」
「じゃ、じゃんけん?」
三滝先輩はあはは、と笑う。
いつもクールな夏目先輩すら、ふふっと笑っていた。
私は恥ずかしくなって、すとんと椅子に座り直す。
「す、すみません……」
「説明が不足していたな」
六崎先輩が、改めて説明してくれる。
「ときめき部は、複数の部が合体した部活動だ。いつも代表の部活を決めて、発表することにしている。当然みな自分の部活動を発表したいわけだが、部活動発表会でそれぞれの部に与えられる時間は、約十分だ。全部員の活動を報告するのは難しいと判断した。それ故、昨年はじゃんけんで勝った三滝を代表とし、主に写真部の活動成績を発表したのだ」
「そ、そういうことでしたか……」
早とちりしてしまって恥ずかしい……。
「ま、去年入学早々部内で一番いい成績を収めたのは俺だったし、ちょうど良かったよね」
三滝先輩の言葉に、「お前だけじゃなく、それぞれいい成績は残してるけどな。ただのまぐれだろ」と夏目先輩がつぶやく。
「運も実力のうちですー」
「は? そう何度も運に恵まれると思うな。今年のお前に運はない」
「なんでよ!?」
「日頃の行いを見ればわかるだろ」
「ひどくない!?」
などと言い合っていた三滝先輩は、急に「あ!」と大きな声を出した。
「今年はじゃんけんなんてする必要ないんじゃない!?」
その言葉に、ときめき部の部員一同の視線が三滝先輩に集まる。
「どうしてだ?」
私たちを代表するように、六崎先輩が尋ねた。
「だって、みのりちゃんがいるじゃん」
「へっ!? 私ですか!?」
急に会話の矛先が私に向いて、びっくりして声が裏返っちゃった。



