夕暮れの海と空が、同じ色にほどけていく。
境目が消えて、世界が一つの青になる。
その中で、私は晴海の隣に立っていた。
「……好きだよ、夏井」
その声を聞いた瞬間、ずっと張りつめていたものがほどけた。
「………うん、私も、晴海が好き……」
名前も、理由も、もう必要なかった。
ただ、この青のどこかに、私たちは確かにいた。
晴海の指先が、そっと私の人差し指に触れる。
たったそれだけなのに、心臓が壊れそうなくらい音を立てた。
光里、と耳元で甘く名前を呼ばれる。
その声が優しくて、嬉しくて、夢みたいだった。
夏の、光に揺れる海と、澄んだ空が青に溶けていく。
晴海。
まだこの夏、終わらせたくないね。



