「いつの間にか、夏井の笑った顔を探してた。元気がない時は気になった。誰かと楽しそうに話してるだけで安心したり、逆に少し寂しくなったりした」
その言葉に、胸がいっぱいになる。
私が知らなかった時間を、晴海も同じように過ごしてくれていた。
「大塚と一緒にいる夏井を見た時、正直、焦った。
このままだったら、夏井は誰かの隣に行っちゃうんだって思った」
晴海は少し照れたように笑った。
「俺が夏井のこと、こんなに大事に思ってるって気づいたのも、たぶんあの頃だった。
でも、たぶん、ずっと好きだったんだよ」
風が吹く。
髪が揺れる。
夕日の光が、海の上で揺れていた。
「別に、夏は似合わなくていいけど……夏井に、似合う男になりたい」
その言葉が、まっすぐ胸に届いた。



