青に溶ける、きみ。




「夏井と話す時間も、隣の席でくだらないことで笑う時間も、全部なくなったら嫌だった」



波の音が静かに響く。



「それに、進路のこともある」



晴海が少しだけ視線を落とす。



「俺、県外に行くかもしれない。夏井の近くにいられなくなるかもしれない」



その言葉に、胸が締めつけられる。

でも、晴海は続けた。



「でも、それを理由に諦めたくなかった」



顔を上げた晴海と目が合う。



「わざと買わなかった消しゴムも、夏井と交換したハチマキも、放課後残って勉強した時間も、花火大会の日も、ひまわり畑の日も、海で話したのも。全部、俺にとっては特別だった」

「……っ、」

「去年の夏、夏井と出会った時は、ただ話しやすい子だなって思った。それだけだったはずなのに」



少しずつ、声が優しくなる。