晴海に出会えたこと。晴海の隣で過ごした時間が、私にとってどれだけ大切だったのか。
去年の夏、雨の日に昇降口で出会った男の子。
何気ない会話で笑わせてくれたこと。辛い時にそばにいてくれたこと。そして、私の知らなかった感情をたくさん教えてくれたこと。
全部、晴海だったから特別になった。
私はスマホを手に取って、晴海とのトーク画面を開く。
何度も名前を見つめるだけで、結局何も送れないまま閉じる。
伝えたい。でも怖い。
今の関係が壊れてしまったらと思うと、指先が動かなかった。
それでも、思った。
怖いからって、また何もしないまま終わらせたくない。
大塚くんの時もそうだった。自分の気持ちから逃げたくなかった。
だったら今回も、ちゃんと向き合いたい。
私はもう、決めていた。
あの夏に出会った大切な人へ。
この夏が終わる前に、私の気持ちを伝えよう。



