青に溶ける、きみ。




先生には「夏休み中に考えてこい」と言われていた。

それなのに、私は結局決められなかった。


もちろん考えなかったわけじゃない。


家でも何度も大学のパンフレットを開いた。スマホで学部を調べたり、オープンキャンパスの動画を見たりもした。


でも、見れば見るほど分からなくなった。



本当にやりたいことって何だろう。将来なりたいものって何だろう。


周りはもう推薦で決まっている子もいる。志望校をはっきり決めている子もいる。


それなのに、私はまだ何もない。



「来週までにもう一回提出な。今度はできるだけ空欄なしで頼むぞ」



私は進路調査票を見つめたまま、小さく紙を握りしめた。


夏は終わった。楽しいだけじゃいられる時間も、もう終わったんだ。



これからは少しずつ、未来を決めていかなきゃいけない。


でも、その未来がまだぼんやりとしか見えない私は、教室の窓から見える少しだけ高くなった空を眺めながら、小さくため息をついた。