学校へ着くと、久しぶりの賑やかな声が廊下に響いていた。
「焼けたね!」
「宿題終わった?」
「最後まで何もしてないんだけど!」
みんなの笑い声を聞きながら教室へ向かう。
たった一か月会っていなかっただけなのに、なんだか少しだけ懐かしく感じた。
教室のドアを開けると、夏休み前と何も変わらない景色が広がっていた。
机の並びも、黒板も、窓から差し込む朝の光も、全部そのまま。
「おはよう」
聞き慣れた声に顔を上げる。隣の席には、いつも通り晴海が座っていた。
「……おはよう」
返事をすると、晴海は小さく笑う。
「夏休み終わっちゃったな」
「うん」
それだけの会話なのに、胸の奥がじんわり温かくなる。
ひまわり畑で撮った写真も、海で交わした言葉も、全部夢じゃなかったんだと思えた。
「宿題終わった?」
私が聞くと、「昨日の夜」と晴海が苦笑いする。
「やっぱり」
「笑うなって」
晴海の笑顔を見ているだけで、不思議と安心する。
夏休みが終わっても、晴海はちゃんと隣にいてくれる。そのことが、なんだか嬉しかった。



