「夏井との夏、まだ終わりたくないって思ったから」
突然、晴海が言った。昨日送られてきた言葉と同じ。
心臓が大きく鳴る。
でも、晴海はそれ以上何も言わない。
ただ、隣で海を見ていた。私も何も言えなかった。
でも、きっと、同じ気持ちだった。
まだ帰りたくない。
まだこの夏を終わらせたくない。
「……綺麗だね」
「うん。ずっと見ていたいかも。この海、夏井みたい」
突然の言葉に、思わず振り向いた。
「なんかさ………近くで見るとすごく澄んでるのに、奥に行くほど深い色になるじゃん。でも、どんなに深くてもちゃんと光を返してる」
「……それのどこが私なの?」
聞くと、晴海は少し笑った。
「そういうところ」
意味が分からなくて首を傾げる。
「自分では気づいてないところ」
その言葉に、胸が小さく揺れた。晴海はまた海を見る。
「夏井って、自分が思ってるより周りのこと見てるし、ちゃんと大事にしてると思う」
「……。」



