バスを降りると、少し遠くからでも分かるほど、一面に黄色が広がっていた。
ひまわり畑。
太陽に向かって咲く花たちは、夏そのものみたいだった。
「すごい……」
「来てよかった?」
「うん。すごく綺麗」
「ならよかった」
ひまわり畑の中を歩く。
風が吹くたびに、黄色い花が一斉に揺れる。
「写真撮る?」
「撮りたい」
そう答えると、晴海がスマホを出す。
ひまわりを背景に並んで写真を撮る。
画面の中には、笑っている私と晴海がいた。
その瞬間、胸の奥が少し苦しくなる。
こんなに楽しいのに、ふとした瞬間に思い出してしまう。
大塚くんのこと。最後に見せてくれた優しい笑顔。
「ありがとう」と言ってくれた声。
私を責めることなく、受け止めてくれたこと。
私は本当にこれでよかったのかな。



